芳しい香りが印象的なジャスミン茶、誰しも一度は飲んだことがあり、その魅力的な香りにうっとり癒された経験があるのではないでしょうか。
ジャスミンの花が入っていると思われがちですが、緑茶や烏龍茶の茶葉に花の香りを移したお茶でジャスミンの花自体は入っていないのです。
こちらでは、花の香りをつけた「花茶(フアチャー)のクイーン」ともいわれる、香り高い花茶の代表格であるジャスミン茶についてご紹介いたします。
ジャスミン茶とは

ジャスミン茶とは、一般的には中国の緑茶にジャスミンの花の香りを移したお茶で、中国名は「茉莉花茶(モーリーフアチャー)」、サンスクリット語でジャスミンを意味する「マリカー」に由来しています。
中国では、緑茶などに花の香りを移したお茶や花そのものを原料としたお茶のことを「花茶(フアチャー)」と言い、数ある花茶の中でも代表格とされるのがジャスミン茶です。
ジャスミン茶は中国茶における花茶生産量の約80%を占め、かつては烏龍茶よりも多く日本に輸出されていました。
その華やかさから、高級感や特別感がありセレモニーや贈り物としも重宝されており、美容茶としても人気を博しています。
ジャスミンの産地
ジャスミンはアフリカの亜熱帯が原産で世界中で300種以上もあり、イランやエジプト、フランス、イタリアなどの地中海国家や東南アジアで栽培されています。
甘く優雅な香りと美し花姿はクレオパトラがこよなく愛した花としても有名で、夜月光を浴びるとより強く香るため古くから媚薬とされていました。
その芳しい香りは香水やアロマオイルに用いられていますが、1リットルの精油を抽出するためには1トンのジャスミンの花が必要となり、とても貴重な精油です。
ジャスミン茶の原料となるジャスミンの産地は、かつて福建省が高名でしたが1980年代以降は広西横県が主産地となっており、中国でのジャスミン茶の約80%を占め、「茉莉花茶の故郷」と呼ばれています。
収穫は開花期の5~10月で、晴天が多くなる8~10月にかけて収穫された花は水分量が少なく、より香り高いジャスミン茶が作られています。
ジャスミン茶の発祥・歴史
ジャスミン茶が誕生したのは17~18世紀です。
中国はお茶の主要生産地ですが、その中において北方地方はお茶が採れない場所であり、南方からお茶を運ぶ必要がありました。
しかし、交通の不便さや治安などの悪条件からお茶が届くころには品質が劣化してしまうため、花の香りをつけ高級品として取引したのがジャスミン茶の起源といわれています。
その高貴な香りは上流階級に好まれるお茶となり、かの西太后をも魅了し、自分の美肌はジャスミン茶のおかげであると信じた西太后はほかのお茶をいっさい飲まず、当時ジャスミンは「国の花」として大切に扱われていました。
その後、ジャスミン茶は外国との貿易においても重要な役割を果たし、世界各国にジャスミン茶が広く知れ渡るようになり、花茶のみならず中国茶の代表格ともいわれています。
ジャスミン茶の作り方
ジャスミン茶は、ベースとなる緑茶や烏龍茶に香りを移して作られるため、ジャスミンの花の品質と同様に茶葉の品質によってもそのクオリティーが左右されます。
ジャスミンの花はつぼみの状態で摘花しますが、花びらが完全に白く長い茎ものを慎重に選び、夜に開花するかを見極めることが重要なポイントです。
製造工程は、
- ジャスミンの花のつぼみを摘花する
- 夕方に茶葉とジャスミンの花を混ぜあわせる
- 一晩かけて茶葉にしっかりと香りを吸い込ませる
- 翌朝ふるいにかけて茶葉と花を分離しする
- 香りがついた茶葉を再び乾燥させる
この工程を3~7回ほど繰り返すことで香りを高めていきます。
また、ジャスミンの香りだけではなくベースとなるお茶の品質が両方あわさって、神秘的で繊細な高品質のジャスミン茶が作られるのです。
ジャスミン茶の種類
茉莉銀毫(モーリーインハオ)
茉莉花茶の故郷といわれる広西横見産の特級ジャスミン茶。
「白毫(白い産毛)」の目立つ高品質な茶葉がベースで、上品さと甘さが楽しめます。
香片(シャンピン)
台湾が主な産地で、発酵の軽い包種茶(緑茶と烏龍茶の中間のようなお茶)をベースにしたジャスミン茶です。
渋みや雑味が少なく、柔らかく濃厚な香りが楽しめます。
この香片茶(シャンピンチャ)が沖縄に伝わり、「さんぴん茶」と呼ばれるようになったといわれています。
茉莉繍球(まつりしゅうきゅう)
繍球とは中国で刺繍を施した鞠を意味するもので、茶葉を鞠のように成形したジャスミン茶です。
別名「ジャスミンボール」と呼ばれ、抽出を待つあいだに丸まった茶葉が開いていくのが楽しめます。
真珠花茶(しんじゅはなちゃ)
真珠のようなコロコロとした形状が特徴的なジャスミン茶で、「龍珠花茶」とも呼ばれています。
抽出を待つあいだに茶葉がゆっくりと開いていく様子が楽しめます。
茉莉砕茶(まつりさいちゃ)
高級なジャスミン茶のかけらを集めた希少なお茶です。
さまざまな茶葉が混ざるため、濃厚でより深みのある香りが楽しめます。
ジャスミン茶の効果

ジャスミン茶の成分
- リナロール(精油成分)
- フィトール(精油成分)
- 酢酸ベンジル(精油成分)
- ジャスモン酸メチル(精油成分)
- ビタミンやミネラル、タンニンなど(ベースとなるお茶の成分)
ジャスミン茶の成分はベースとなる茶葉に由来し、ジャスミンは精油成分です。
アロマ効は
ジャスミンに含まれるリナロールなどの精油成分は、リラクゼーション効果があります。
香りは直接脳へと届くので、気持ちを落ち着かせ心地よい状態をもたらしてくれます。
ジャスミン茶の楽しみ方

ジャスミン茶の味わい、特長
- 唯一無二の上品で優雅な香り
- 香りが持続する
- ベースとなるお茶によって味わいが変わる
- 美容茶としても名高い
- 香りによるアロマ効果、リラックス効果がある
ジャスミン茶の魅力は、なんといっても芳しい香りを楽しみながらリラックスすることです。
ゆっくりと香りを感じながら、心地よい癒しの時間を過ごすことができるでしょう。
ただし、ベースになる緑茶や烏龍茶にはカフェインが含まれているため、睡眠の直前に飲む場合はカフェインレスのジャスミン茶を選ぶことをおすすめします。
ジャスミン茶の淹れ方
中国茶は茶壷(チャーフー)や蓋椀(がいわん)という茶器を使用しますが、ポットや急須でも美味しく淹れることができます。
- ポットとカップを温めておく
- ポットに茶葉を3~5g入れて熱湯を注ぎ、2分ほど抽出する
- カップにジャスミン茶を注ぐ
ジャスミン茶は3~4煎ほど味わうことができます。
1煎目は香りを楽しむために90℃以上の熱湯で、2煎目以降はお湯の温度を80℃くらいに下げて抽出時間を長くするのがポイントです。
ジャスミン茶のまとめ
今回は、ジャスミン茶についてご紹介いたしました。
- 茶葉にジャスミンの花の香りを移した繊細なお茶
- 芳しい香りで「花茶のクイーン」と呼ばれている
- アロマ効果、リラクゼーション効果、癒し効果がある
ジャスミン茶は、茶葉に幾度もジャスミンの花の香りづけをした特殊な製法から作られた繊細なお茶です。
その工程に想いを馳せながら、香り高きジャスミン茶の魅力にふれてみてはいかがでしょうか。